アスベスト関連疾患についての解説
中皮腫
胸膜や腹膜から発生する悪性腫瘍を悪性中皮腫といいます。
がんの仲間であり、今も有効な治療方法はありません。
中皮腫はアスベスト(石綿)の曝露によって発生する病気でその他の原因はほとんど考えられません。
アスベスト(石綿)曝露の開始から悪性中皮腫が発生するまでの潜伏期間は20年から30年以上と言われています。
石綿肺
アスベスト(石綿)を吸入しているとアスベスト(石綿)肺というじん肺が起こります。
アスベスト(石綿)肺は、肺の弾力性がなくなり、肺活量が少なくなりますので、せきやたんが出て、呼吸が困難になります。
間質性肺炎という病気と誤診されがちですので、医師に職歴を正しく伝えることが必要です。
びまん性胸膜肥厚
アスベスト(石綿)の曝露により肺の表面をおおう胸膜が炎症を起こします。
この状況では肺の働きが悪くなり、肺活量が少なくなり呼吸困難となります。
胸膜炎は短期間のアスベスト(石綿)曝露で発生し、左右の胸腔にくり返し水がたまり胸膜にゆ着を起こさせるものであり、このためもあってびまん性胸膜肥厚はアスベスト(石綿)曝露から20年以内に起こる病気としてアスベスト疾患の内では最も多いものです。
肺がん
肺がんとは肺に発生する悪性腫瘍のことで、アスベスト自体が肺がん発生に重大な影響を与えていると言われています。
アスベストで発症したといえるためには、原発性肺がんである必要があります。
原発性とは、他の部位から肺に転移したものではないという意味です。
肺がんは、アスベスト以外でも発症することがありますが、喫煙者がアスベスト被ばくをした場合、肺がん発生率が高くなると言われています。